空想ぱふぇ

In one of the stars I shall be living. In one of them I shall be laughing. And so it will be as if all the stars will be laughing when you look at the sky at night.

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水域

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「水域」
漆原由紀 著

ダムに沈んだ村と家族の物語。
山奥の立派なダムを観光で訪れる事はあっても、そこがかつてなんであったのか…などという事は全く思もせず、たまに資料館で元の村を見たところでそう心にも響く事もなく、、ただそうなのかと通り一遍に過ぎてしまうのが日常というものではないだろうか。

そのなかにこんなドラマがあったかもしれない。
主人公の女子高生はある日照りの夏に眠りの中で過去の水没した村に行くようになる。そこには祖父と少年が暮らしている。他に村人はいない。話が現実と夢の過去の村とを行き来するうちに家族の過去が明かになってくる。そして、、日照りでダムが干上がり地底の村が姿を表す。。。
少年の正体が明かになって…。

ま、これ以上はネタバレになってしまうので…(^^;)。


この時期に読んだせいかもしれない。

人は目の前で起こった事ですら信じられなかったり受入れられなかったりするもの。
ましてその最後を知らずにいるという事のなんと受入れがたくつらいことか。

いつまでもいつまでも、心の底に密めてふとした拍子に出てくるものに、揺れ動く感情に、どうしようもなくなる事ってあるでしょう。それに攫われたまま生きていく事もしなくてはならなくて…。

こんな風にでも結末を迎えられたなら、どんなに気が楽か。しょせんは物語。
けちつけてもしょうがない。
なんていえいえ、そんなつまらない結末でもなんでもなくて、とても心に染みる物語に仕上がっている。事実は変わらないのだから、人はそれぞれ心の中で折り合いをつけるもの。こんな折り合いのつけかたもあっていい。

私は漆原氏の漫画は音がしないように感じる。
「蟲師」の世界も遠い、けれどちり紙一枚へだてたぐらいの距離だったりする隣の日本の昔、といった世界の話に感じた。しかし、ちり紙一枚で雑音を感じない。うーん上手く言えない。

空気が薄いというか。。。
淡い色を押さえた水彩がとてもよい効果をだしていたと思う。

この物語は水彩の色は濃い目であるが、それは現代だからだと思う。
現代では日常の音が聞こえる気がするのに、過去の村に行くとやはり音がしない世界を感じるのがなんとも不思議。このあたりは作者の描き分けがみごとに成功してるのではないかと思う。

そして、、ラストの満水のダムの絵を見たときに、ごぼごぼという水にもぐった時耳元で鳴る音がはっきりと聞こえた。
自分がダムにごぶんともぐったようにーーー。

体の隅々にまで水が行き渡ったような感じがした。

それは私の心にある想いが行き渡った瞬間。


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